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武井武雄の世界展


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今日は、前から行きたかった「武井武雄の世界展」(豊橋市美術博物館)へ行ってきました(11月23日まで)。

愛らしくて、細密で、マニアックで、飽きることなく眺めていたい、物語を感じる絵の数々・・・
私はいい展覧会へ行くと、見ているよりも自分も描きたくなり、途中から、まだ見ていたい気持ちと帰って絵でも描きたいという気持ちが交錯し、落ち着かない時間でした。

(小鳥もいっぱいモチーフになってるけど、たまたまインコを車に乗せていったこともあって、単にそれが気になったってのもあるけど・・・)

メルヘンや絵本の世界、ほのぼのとした、思わず笑顔になるような作品が多い中、ふと差し込まれるようにして現れる世の中への警告めいた作品や詩・・・

例えば・・・(facebookのお友達の先月の投稿よりお願いして拝借)


【驚くべき人間】


武井武雄の世界展_c0189426_19262140.jpg


驚くべき人間がいる。

自分たちの住んでいる地球を

こわしにかかっているのだ。

愚かにもその男は

人類の進歩の為だと言っている。

人類のと言いながら

下半身はもう獣になっている事に

気がついていない。

子どもたちはかつて

この驚くべき人間の居た事を

決して忘れないだろう。

1970年 武井武雄



**********

この絵に差し掛かった時、もうずいぶん前からの環境破壊や、最近のパリのテロ事件、その後すぐフランスが開始した空爆などを思い、涙がポロポロ出てきた。

敢えて私もそうと書くけど、武井武雄さんも含め、純粋で無垢な私たちみたいなタイプは、いち早く世の中のおかしさをキャッチしちゃって、ふだんは無邪気で子供のようなのに、だからこそ、時に強く世の中を批判したくなる。


武井武雄さんも、そういう人だったんだろうなあと、彼がその時代に抱えていたカナシミと私たちが今抱えているカナシミがリンクして、泣けました・・・。
いつの時代も色々あるわけで。


順路の最後の方には、武井さんが「刊本作品」と名付けた小さな本の数々が・・・

覚えてきた説明より

<絵画や彫刻作品と同じように本を美術の対象として考え、・・・>

今 私も出版準備中だけど、同感だった。

作家の場合、原稿を提供して、本全体の製作は出版社が、というパターンだけど、私の場合、なかなか出版に至らなかったけど、やはり、本づくりや出版そのものがアートという思いがあって、今も、デザイナーの友達と「本」=「一つの作品」として取り組んでいる。


そして、売店で、個人的に驚いたこと。

気になったガーゼのハンカチが、すでに私の持っているものだった。

何度か書いてる、宮崎の「みこさん」という、いろんなことがシンクロして、紛れもなくソウルメイトと呼べる年上のお友達がいるけど、みこさんが、以前お会いした時に、お土産として持って来てくれたハンカチだったのだ。


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いただいた時は、武井武雄の作品とは知らなかったし、その後に武井武雄展が豊橋で行われ、そこに自分が行くとは思っていなかったし、みこさんさんとの間では「びっくり!」ってよりは「やっぱり!」ってことがこれまでにも重なってきてるけど、今日もまた、私が欲しくなるものを、あらかじめプレゼントしてくれてたんだ!みたいな不思議な気持ちになった。

守られてる、
と漠然と感じながら、紅葉が気持ちいい公園を少し歩いて帰ってきた。


おまけ。
武井武雄展の前にやっていた、中村正義×岡本太郎展は、その時の心身の状態から興味はあるものの控えたんだけど、お宝的に持っていて、今日、武井武雄展とは別の場所で、美術好きの年上のお友達にお貸しした芸術新潮の「さよなら、岡本太郎」(1996年5月)



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これはやっぱり、永久保存版☆














by hihararara | 2015-11-17 20:27 | アート
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