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『デザートの味』

 

ひょんなことから、林真理子の『ピンクのチョコレート』という短編集を引っ張り出して来て読んでいる。
これは、食にまつわるお話を集めた短編集、だったと思う。

平成6年幻冬舎刊だから、なんともう20年前のものになる。

いちばん印象的だったのは『四歳の雌牛』というもので、ざっくり言えば、24歳のモデルの女の子が、焼き肉をいただきながら、新しいパトロンへ移行する場面が印象的。「四歳の雌牛の方が『人生』という言葉がよく似合う」みたいな・・・

バブルの名残りで、東京とかグルメとか、ブランドとかそういうものが登場する。

私は林真理子は好きではないけど、食べものが出てくる小説が好きなので、この小説もその目的で買ったんだと思う。

さすがに巧い!

これを読んでいて思い出したのが、私が初めて「小説らしきもの」を書いたのは、まさに食べものに触発されて、その思いをとどめたかったからだなあということ。

それは、5年間つき合った彼と別れた時のことで、別れ話をするために入ったビストロみたいなところが、すごく美味しかったのだ。

確か、表参道とかその辺だったと思う。

彼は大手出版社の編集者になったばかりで、そのお店のある場所は、それまで一緒にデートを重ねたようなテリトリーじゃなかったので、まずは、そこに連れていってくれたことがうれしかったけど、反面、今までとは違う彼の世界がすでにあることを知らされたようでさみしかった。

あ、私がフラれたんです。

詳しく書くのは控えるけど、とにかく、別れ話で悲しいはずなのに、次々出てきたそこのお料理が見事に美味しくて!!ワインも最高で、途中から妙に明るい気持ちになっちゃって、ものすごく楽しい時間だった。

こんなに楽しいのに別れるんだなあ~あああ~と、笑ったり泣いたりが激しい場だった。

泣いたりしながらもずっと笑顔だったのに、ハッと現実に戻されたのがデザートの時。

それまでの料理の美味しさに反して、デザートがまずかったのだ。

酔いも醒めたってのは大げさだけど、それまでがあまりに美味し過ぎて楽し過ぎて、ちょっとしたデザートのレベルの差が、過剰に大きな落差として感じられたのかもしれない。

それまでの楽しい日々が終わるんだ、という現実を実感して、終わりのデザートをまずく感じたのかもしれない・・・

まあ、その場に一緒にいた彼も「料理と比べるとまずい」という意見で一致していたので、私だけの受け取り方ではなかったと思う。

その時の様子を短編みたいにおもしろおかしく書いたけど、今はどこにあるかな。

当時はまだパソコンなどなかったし、手書きだった。

 

デザートを複数登場させたけど、そのうちの一つ、プラムのタルト。

カスタード色をバックに、ボルドー色の水玉が浮かび上がっているような・・・

イメージとしてはこんな感じ(ネットで拾った写真より)。

 

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プラムのタルトをその時実際に食べたのか、食べてないのかは今は定かではない。

お話の中にイメージとして登場させたくて、頭に思い描いたポップな水玉模様が、その場で見たものなのか、私が想像したものなのか、わからなくなっている。

小説はそもそもがつくりごとだけど、私の場合はいつも実体験がベースとなっていて、タイトル『デザートの味』に書いたお話も、「デザートがまずくて、現実に引き戻された」というのは本当のできごと(笑)

 

記憶というのはふいにやってくる。

久々に思い出したあの夜のことを、書きとどめたくて今。

この頃、小説でもなくfacebookでもなく、ブログに書きたいことというのが減っていたけど(facebookに小出しにしていて)、この感覚も、久々に思い出した。

トリップの感覚。

I'll be back だね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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by hihararara | 2013-09-15 09:09 |
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