人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 山にこもる 自分ごりらさる >>

価値の分配

 

昨日、夫の気まぐれで、浜松に鰻を食べに行った。

その店は、結婚前のデートの時から連れていってもらっていて、美味しくてボリュームもあるのにお値打ち!というところ。

最初はたぶん、「うな重の上」などご馳走してもらったと思う(確か、当時2000円台・・・値段をここに書くのは下の内容のため)。

特上だと、なんだかいかにもだし、並だとつまらないし、上ってのはきっと、デートにはちょうど良い選択だよね(笑)

そのお店、子どもが生まれてからも、年に数回、もしくは少なくとも年に一度は行っていた。

子どもたちも食べるようになってからは、うな丼(1100円×4)を選択するようになり、うな丼で十分じゃん!!と落ち着いていた。

たまたま昨年は行かず、今年はご存じの通りの鰻不足。久々に注文した「うな丼」は1900円だった。

夫と長男は大盛りをお願いし、今まで、美味しくても小骨が気になっていた次男が初めて一人で一杯食べきることができ、成長をうれしく思った。

 

その翌日(つまり今日)、facebookで、年下のお友達(男性)が偶然、同じ店に出かけていた。とっても豪華な特上うな丼(うな重?)の写真をUPしていて、昨日の今日というのも笑ったけど、独身の時に、がんばって仕事したお金で、特上を食べている様子を、とってもいいな、と思った。

同時に、始まりは上のうな重だったけど、今、家族で慎ましく(とはいえ、予想以上の値上がりにびっくりしつつ)うな丼をいただいている、私たちもいいな、と思った。

独身がカップルになり、カップルに子どもが生まれ、その子どもが成長して各々いただけるようになり・・・

その人間の営みの変化を、自分たちのことばかりではなく、愛おしいな、と思った。

 

かつて、動物園に幼稚園の遠足で出かけた時に眺めた人間の様子。

カップルで動物園に来ている恋愛中の「人間」は、二人いちゃいちゃと寄り添っていた。

その二人に子どもが生まれると、子どもの世話に精一杯で、二人の距離は子ども中心に近付いたり離れたり・・・少なくとも、カップルで手をつなぐということはなかった。手をつなぐとしたら、子どもとつないでいた。

我が家族は、親子4人が各々の足でしっかり立つようになり、これからますます、子どもたちが成長していき、4人が独立独歩で行く期間だろうけど、やがて老いたらまた、支え合うようになるだろう。

もちろん日々支え合いだけれど。

 

鰻の食べ方、その価値の分配の仕方の変化に動物園での観察風景を重ね、人生のどの瞬間も、二度とないのだから、やはりひとつひとつ大切に味わいたいなあと思いました。

そんなことを、夫子供が寝静まった夜(今)考えて、涙を浮かべています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
by hihararara | 2012-07-22 15:07 | 家族
<< 山にこもる 自分ごりらさる >>